腹黒エリートが甘くてズルいんです
本当のこと
***
「お盆は混んでるよって言ったじゃん」
「聞いてはいたけどここまでとは思わねーじゃん」
あたしと酒井君は高級車の中でまるで口喧嘩のようなやり取りをしながら、二軒目のお店の駐車場の片隅で途方にくれていた。
先週、出光先輩と由依と飲んでいる真っ最中に発覚した、酒井君と先輩の謎のつながり。
それを放置は出来なくて、結局自分から『聞きたいことがあるし、話したいことがある』と連絡を取った。
次の週末、となるのがお盆なので大抵のお店は臨時休業か逆に激混みで長蛇の列になるのでもっと後でもいい、と言ったのだけど、酒井君がすぐにでも会おう、みたいな謎の積極性でグイグイきたので、会うことになった。
一軒目のコジャレたカフェは、『オーナーが古民家改造して、こだわりの他にない色で塗りました』みたいな珍妙な色味のドアに、『臨時休業』と、ぺらりとした紙が貼ってあって。
それならいっそ趣向を変えて、と勇んでやってきた、ハンバーグが美味しいチェーン店の扉の前にはお盆で久々の再会を喜ぶ人達の長蛇の列、というわけで。
「お盆は混んでるよって言ったじゃん」
「聞いてはいたけどここまでとは思わねーじゃん」
あたしと酒井君は高級車の中でまるで口喧嘩のようなやり取りをしながら、二軒目のお店の駐車場の片隅で途方にくれていた。
先週、出光先輩と由依と飲んでいる真っ最中に発覚した、酒井君と先輩の謎のつながり。
それを放置は出来なくて、結局自分から『聞きたいことがあるし、話したいことがある』と連絡を取った。
次の週末、となるのがお盆なので大抵のお店は臨時休業か逆に激混みで長蛇の列になるのでもっと後でもいい、と言ったのだけど、酒井君がすぐにでも会おう、みたいな謎の積極性でグイグイきたので、会うことになった。
一軒目のコジャレたカフェは、『オーナーが古民家改造して、こだわりの他にない色で塗りました』みたいな珍妙な色味のドアに、『臨時休業』と、ぺらりとした紙が貼ってあって。
それならいっそ趣向を変えて、と勇んでやってきた、ハンバーグが美味しいチェーン店の扉の前にはお盆で久々の再会を喜ぶ人達の長蛇の列、というわけで。