腹黒エリートが甘くてズルいんです
「へ……」
えーとそれはつまり? 脳ミソをフル回転させて考えるも、答えが見つからない。
だって、結婚したいのに出来ないあたしにアドバイスをくれるんじゃなかったの?
そんなあたしを特に気にする様子もなく、淡々と話を進める酒井君。
「あの、結婚指輪は偽物。100均で買った」
『なんで』と聞く気力もなく、その代わりに酒井君の綺麗な顔を見る。
あたしと目が合い、微笑むのだけれど、見たことのない人のようだった。
あの、キスのあとのような顔。
「思い付いたのは、写メを見たとき。鈴木補佐、異動前に一緒に働いたことがあるんだ」
……鈴木補佐?
ぽかんとするあたしに、酒井君が補足説明をしてくれる。
「仲田、結婚式に行ったろ? おっさんと、やたら若い嫁さんの」
『やたら若い嫁さん』というワードに、やや違和感は覚えるものの、つい最近行った結婚式と言えばサユミのものしかなく、確かにお相手は松永物産の人だった。
えーとそれはつまり? 脳ミソをフル回転させて考えるも、答えが見つからない。
だって、結婚したいのに出来ないあたしにアドバイスをくれるんじゃなかったの?
そんなあたしを特に気にする様子もなく、淡々と話を進める酒井君。
「あの、結婚指輪は偽物。100均で買った」
『なんで』と聞く気力もなく、その代わりに酒井君の綺麗な顔を見る。
あたしと目が合い、微笑むのだけれど、見たことのない人のようだった。
あの、キスのあとのような顔。
「思い付いたのは、写メを見たとき。鈴木補佐、異動前に一緒に働いたことがあるんだ」
……鈴木補佐?
ぽかんとするあたしに、酒井君が補足説明をしてくれる。
「仲田、結婚式に行ったろ? おっさんと、やたら若い嫁さんの」
『やたら若い嫁さん』というワードに、やや違和感は覚えるものの、つい最近行った結婚式と言えばサユミのものしかなく、確かにお相手は松永物産の人だった。