腹黒エリートが甘くてズルいんです
「そんなわけで、鈴木補佐の写メを見て、ただの世間話に見せかけて色々話しながら仲田が彼氏居ないとか、イデミッツーと同じ会社とか分かったから、計画したの」


……へ?


「あの、飲み会は、出光先輩が松永物産にお目当ての受付嬢がいてその子の友達から誘われて、とかなんとか……しかも、酒井君遅れてきて皆に会ってもいないじゃん」


「お前、ほんっとーに、バカだな。詐欺とか余裕で引っ掛かりそう」


酒井君の視線が窓の外からあたしに戻る。
優しげな弧を描く綺麗な瞳の持ち主とは思えないくらい、恐ろしいことを考えていたのが発覚し、もう、何を信じたらいいのか分からない。


「ぜーんぶ、仕組んであるの、最初から。俺とイデミッツーで。だから、むしろ受付の子達は何も知らない、ただ俺が誘っただけ。ただの俺の暇潰しに仲田を騙すだけの飲み会じゃつまんないから、折角なら、イデミッツーが一緒に飲みたがってた受付嬢もついでに飲もうぜ、みたいな?」


あまりにもショックな事実を突き付けられて、指先から血の気が引いていくみたい。
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