腹黒エリートが甘くてズルいんです
「仲田が、メッセージ送ってきただろ? もう自力で幸せを掴んだなら、俺のしょうもないゲームもここで終わりにしなきゃと思って」
そうか。
それを、あたしにわざわざ伝えに?
物凄く失礼なことをしておきながら、その妙に礼儀正しい気遣いは何なの……。
ふと、思い立ち、聞いてみる。
「どうなればゲームセットだったの?」
酒井君がニヤリと笑う。
「やっぱ、あれだろ。中学の頃、清純でキラキラして、汚れを知らなかったような仲田が、倫理観だの一般常識だの理性だの吹っ飛ばして『奥さんを捨ててあたしと逃げて!』とか言ってきたら、じゃない?」
……なんだそれ。
「言うわけないじゃん」
『だよなー』とかなんとか言いながら笑う酒井君の中で、中学生の頃のあたしが『清純でキラキラして』なんて形容されたことに驚く。
ただの口からでまかせだとしても、ちょっと嬉しいなんてこの期に及んで思うあたしは、どうかしているのかもしれない。
そうか。
それを、あたしにわざわざ伝えに?
物凄く失礼なことをしておきながら、その妙に礼儀正しい気遣いは何なの……。
ふと、思い立ち、聞いてみる。
「どうなればゲームセットだったの?」
酒井君がニヤリと笑う。
「やっぱ、あれだろ。中学の頃、清純でキラキラして、汚れを知らなかったような仲田が、倫理観だの一般常識だの理性だの吹っ飛ばして『奥さんを捨ててあたしと逃げて!』とか言ってきたら、じゃない?」
……なんだそれ。
「言うわけないじゃん」
『だよなー』とかなんとか言いながら笑う酒井君の中で、中学生の頃のあたしが『清純でキラキラして』なんて形容されたことに驚く。
ただの口からでまかせだとしても、ちょっと嬉しいなんてこの期に及んで思うあたしは、どうかしているのかもしれない。