腹黒エリートが甘くてズルいんです
「もー、とことん夏を引きずるわね、莉緒は。因みに白目をむくほど美味しいって言ったのは、別のお店の海老のビスクね!」
パタンと雑誌を閉じながら、楽しそうに言っている姿を見ていると、この親友のためにも、あたしはしっかり前を向かなくてはいけないと思う。
「……ねぇ、由依」
「んー? 何よう? あ、そろそろ歯を磨かないと時間ヤバイね、行く?」
促され、席を立つ。
二人並んで歩きながら、何となく言ってみる。
「……由依、あたしさ、大丈夫だよ?」
隣で、ふわりと由依の良い香りがする。
「……うん」
由依が言葉少なにそっと答える。
両手に持ったトレイを見つめながら、まるで自分に言い聞かせているみたいだ、と思う。
「よし、分かった。今週末、やっぱり服を買おう!」
「ん?」
しんみり、とも違う、その静かな空気感を壊すような、由依の謎の発言を思わず聞き返す。
パタンと雑誌を閉じながら、楽しそうに言っている姿を見ていると、この親友のためにも、あたしはしっかり前を向かなくてはいけないと思う。
「……ねぇ、由依」
「んー? 何よう? あ、そろそろ歯を磨かないと時間ヤバイね、行く?」
促され、席を立つ。
二人並んで歩きながら、何となく言ってみる。
「……由依、あたしさ、大丈夫だよ?」
隣で、ふわりと由依の良い香りがする。
「……うん」
由依が言葉少なにそっと答える。
両手に持ったトレイを見つめながら、まるで自分に言い聞かせているみたいだ、と思う。
「よし、分かった。今週末、やっぱり服を買おう!」
「ん?」
しんみり、とも違う、その静かな空気感を壊すような、由依の謎の発言を思わず聞き返す。