腹黒エリートが甘くてズルいんです
「言っておくけど、あたしそこまで暇じゃないからね? 出光先輩と事前に何やらこちゃこちゃ段取り立ててる暇があるならエステ行くし」


……確かに。

そんなあたしの心の動きが手に取るように分かるらしく、由依が満足げに頷きつつ、言葉を続ける。


「だからこそ、昨日の今日みたいな勢いで、いいとこと話がまとまるなんて、運命的じゃない? なーんて」


随分と楽しそうにしている。


「……何だかやたら楽しそうじゃない?」


不審がるあたしの言葉に、由依がふふふと笑う。


「だってー、どこだろう? 一流企業だよ! あたしにもいい人いるかもしれないじゃん?あたし、英語は苦手だけど、旦那様についていくとなったらそれはそれで勉強するし? どこの国の食べ物でも大抵イケると思うし?」


どうやら由依の中では一流企業イコール海外勤務もあります、みたいな流通系のイメージが強いらしい。


テンションの大きな差を感じながらもネガティブ発言が止まらないあたし。


「やっぱりオフショルはさー……」
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