腹黒エリートが甘くてズルいんです
嬉しい。
嘘みたいに嬉しいのだけれど、気になる事がひとつ。
……なぜに、さっきから、全て過去形? というか、まるで終わったこと、みたいな口ぶりなんだろう。
「それなのに、お前、人がちょっと仕事立て込んで音信不通になってる間にさっさと男作りやがって。そんで、そいつと4月に結婚しますって、なんだよそれってなるじゃん。そんで、俺の鎧が役に立ったと言うか、格好悪くて今更言えないから『ただのゲームだったんだぜ』って言うしかなくなって」
……あたしが、4月に結婚?
口を挟んで、なんのことかと聞きたいけれど、酒井くんの話は続く。
「そんで、諦めたはずなのに。連絡も取らずに我慢してたのに、イデミッツーにまだはっきり言えなくて。そしたら、今日お前が飲み会に来るって言うから、無理矢理そこに、押し掛けて……お前におめでとうって言おうとしたんだ。なのに、何で菅生なんかに、ふらふらしてんだよって思ってさ」
今日の飲み会の、不自然な人数配分が頭を過る。
それにしても、あたしが菅生さんにふらふらしていたと思われるのは心外。まぁ、そう思われても仕方ない言動をあたしもしたけれど。
嘘みたいに嬉しいのだけれど、気になる事がひとつ。
……なぜに、さっきから、全て過去形? というか、まるで終わったこと、みたいな口ぶりなんだろう。
「それなのに、お前、人がちょっと仕事立て込んで音信不通になってる間にさっさと男作りやがって。そんで、そいつと4月に結婚しますって、なんだよそれってなるじゃん。そんで、俺の鎧が役に立ったと言うか、格好悪くて今更言えないから『ただのゲームだったんだぜ』って言うしかなくなって」
……あたしが、4月に結婚?
口を挟んで、なんのことかと聞きたいけれど、酒井くんの話は続く。
「そんで、諦めたはずなのに。連絡も取らずに我慢してたのに、イデミッツーにまだはっきり言えなくて。そしたら、今日お前が飲み会に来るって言うから、無理矢理そこに、押し掛けて……お前におめでとうって言おうとしたんだ。なのに、何で菅生なんかに、ふらふらしてんだよって思ってさ」
今日の飲み会の、不自然な人数配分が頭を過る。
それにしても、あたしが菅生さんにふらふらしていたと思われるのは心外。まぁ、そう思われても仕方ない言動をあたしもしたけれど。