腹黒エリートが甘くてズルいんです
ぐい、っと身体を引き寄せられ、耳元で聞きな慣れた声が響く。
「俺が、35歳で幸せにしてやるって言っただろ?」
くすぐったくて、甘い言葉。
今度は、本当に本当の、酒井くんの言葉。
「だけど……」
「ん?」
酒井くんの声が小さくなり、耳をすます。
「自分でも道を見つけられるお前となら、なんか俺も幸せになれそうな、気がする」
うんうん、と頷く。
やっぱり、そうなんだ。待ってるだけじゃ、だめだよね。
あたしは35歳で幸せになる。
そして、あなたのことを幸せにして、二人で生きていく。
二人で手を繋ぎ、道を歩く。
「で、結局、昼飯なに食う?」とか「お前マジで営業なめんなよー」とか。
酒井くんが、何を話しても嬉しい。
あたしはこの景色をきっと忘れないだろうな、と。
ごく普通の町並みを眺めながら思った。
好きな人と生きていく。
あたしは、幸せになる。
*おしまい*
「俺が、35歳で幸せにしてやるって言っただろ?」
くすぐったくて、甘い言葉。
今度は、本当に本当の、酒井くんの言葉。
「だけど……」
「ん?」
酒井くんの声が小さくなり、耳をすます。
「自分でも道を見つけられるお前となら、なんか俺も幸せになれそうな、気がする」
うんうん、と頷く。
やっぱり、そうなんだ。待ってるだけじゃ、だめだよね。
あたしは35歳で幸せになる。
そして、あなたのことを幸せにして、二人で生きていく。
二人で手を繋ぎ、道を歩く。
「で、結局、昼飯なに食う?」とか「お前マジで営業なめんなよー」とか。
酒井くんが、何を話しても嬉しい。
あたしはこの景色をきっと忘れないだろうな、と。
ごく普通の町並みを眺めながら思った。
好きな人と生きていく。
あたしは、幸せになる。
*おしまい*