腹黒エリートが甘くてズルいんです

頭髪は寂しいけど、結婚と同時に一戸建ての新居を構える財力のある旦那様。

頭髪は寂しいけど、職場の皆に慕われている旦那様。

頭髪は寂しいけど、出産に備えてサユミをとてもとても労ってくれる優しい旦那様。


頭髪は寂し……、いや、もういいや。

ほら、きっと、だから駄目なんだ。人の短所をあげつらい、自分のことは棚にあげ、こんな性格だから、誰にも選んでもらえないんだ。


別に、モテなかった訳じゃない今までを振り返る。
告白だって何回もされたし、付き合った人も普通にいる。

学生の頃はテニス部に所属して、中高とそれなりに目立っていたような気がする。

地元の大学を出たあと、就職のために都内で初めての独り暮らし。


大学生の独り暮らしとは違って、経済的に多少余裕もあり、それなりにプライベートも充実していた。
大学では児童福祉を専攻して、ゆくゆくは、子供に関わる仕事に就きたかったけど、取り合えずサクサクと面接の進んだごく普通の会社でOLをしている。