腹黒エリートが甘くてズルいんです
そうだよ、だってあたしは……結婚したいんだもん。

この際、ベタなオフィスラブで構わない! まずはお友達から……みたいな返事をして、一緒にご飯を食べたり出掛けたりして、好きになれるか考えてみよう。


でもきっと、先輩はいいお父さんになる気がする。
子供を色んなところに遊びに連れていってくれたりしてさ。

……いいかもしれない。

誰かも言っていた、好きな人とじゃなくて、好いてくれる人と結婚した方が女は幸せになれるって。

あたしはその意見に大反対した覚えがあるけれど、でも、今なら分かる。

出光先輩に、大事にされて、平凡で幸せな家庭を築くんだ……って。


さっきから妄想膨らませまくっているあたしもあたしだけど、先輩の勇気の無さにも驚き。

この沈黙の長さ、妄想中のあたしだからいいようなものの、フツーに『あんた何なの?』って突っ込まれるよ、さすがに。


はい、こっちの心の準備はできました、一旦返事は保留にしてもったいぶりますが、あたし、先輩に付いていきます!
35歳までに幸せにしてください!
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