腹黒エリートが甘くてズルいんです
「……顔真っ赤だけど。よし、そろそろラストにするかー、お前めっちゃ酔ってるだろ?」


こくこく、と激しく頷く。
本当はそこまで酔っていないけど、多分今顔が赤いのはアルコールのせいじゃない事に、気づかれては困る。


「じゃ、最後にあれ頼もうかなー、魅惑のパッションフルーツソルベ!」

「……声でけーな」


へへへ、と笑って、ごまかしてみる。

大丈夫。
あたしは今、中学の頃の友達と楽しく飲んでいるだけ。

いや、一応作戦会議という名目があったから……今後幸せになるためにどうすればいいかを話し合いつつ、楽しく飲んでいるだけ。



やたらと酸味の強いパッションフルーツソルベを無事に食べ終え、ふらふらとビアガーデンを後にする。


「ねーねー、結局あたし、今後の幸せに繋がるようなアドバイス貰ってない気がするんですけどー! せんせー、どういうことですかー?」


「あーやだやだ、これだから酔っ払いは……」


自分だって酔っているくせに棚にあげてあたしのことだけ迷惑者扱いをするのはいかがなものか。
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