腹黒エリートが甘くてズルいんです
場内の照明が落ちて、急に切ない系のオルゴールサウンドが流れ始める。
司会のお姉さんのこなれた説明が始まる前に分かってしまう。
花嫁からの感謝の手紙。
すん、すん、と読む前から泣き始めるサユミと、そんなサユミの腰にそっと手を当ててマイクを傾ける新郎の頭にスポットライトが光輝く。
そう。
そんな神々しい彼の頭を見て、また重いため息がお腹の底から沸き上がる。
確かに聞かなかったあたしも悪いのかもしれないけど。
サユミのお相手は、松永物産の部長補佐……と聞くととんだエリートだと思うけど、続きがあった。
松永物産の部長補佐(51)だったのだ。
アラフィフ!!!
冷静に考えれば、無い話ではない。
そのくらいの歳の差のカップルは珍しくない。
サユミだって、32歳で『新婦』なのだから、お相手の『新郎』が51歳でも文句は言えない。
でも、確かにサユミは言った。ダーリンの同僚も、たくさん来ている、と。
あんなに魅惑的に聞こえた『新郎の同僚』というワードは、事実が発覚した今、逆に呪いの言葉に聞こえてしまう。
司会のお姉さんのこなれた説明が始まる前に分かってしまう。
花嫁からの感謝の手紙。
すん、すん、と読む前から泣き始めるサユミと、そんなサユミの腰にそっと手を当ててマイクを傾ける新郎の頭にスポットライトが光輝く。
そう。
そんな神々しい彼の頭を見て、また重いため息がお腹の底から沸き上がる。
確かに聞かなかったあたしも悪いのかもしれないけど。
サユミのお相手は、松永物産の部長補佐……と聞くととんだエリートだと思うけど、続きがあった。
松永物産の部長補佐(51)だったのだ。
アラフィフ!!!
冷静に考えれば、無い話ではない。
そのくらいの歳の差のカップルは珍しくない。
サユミだって、32歳で『新婦』なのだから、お相手の『新郎』が51歳でも文句は言えない。
でも、確かにサユミは言った。ダーリンの同僚も、たくさん来ている、と。
あんなに魅惑的に聞こえた『新郎の同僚』というワードは、事実が発覚した今、逆に呪いの言葉に聞こえてしまう。