腹黒エリートが甘くてズルいんです
強目に言い切ってから、しまった、と思う。
酒井君の顔から穏やかな笑みが消えていたから。どこの言葉が引っ掛かったのかは分からない。でも、あたし、間違ったことは言っていない……よね?
「仲田……」
「は……い」
なんなんだ、この空気感。あたし達、さっきまであんなに楽しかったのに。
何でこんなことになっているの?
無表情にも見える酒井君の整った顔からは何も読み取れない。
「……とりあえず、お前が35歳までに結婚出来るような作戦、思い付いたら連絡する。じゃーな」
えーーーっと?
さっきのキスは、もう話題にするにも値しないと?
あたしのこの憤りはどこにぶつければいいわけ?
ぽかんとするあたしをよそに、すたすたと駅とは違う方向へ歩いていってしまう。
その後ろ姿は、確かに酒井君なんだけど、何だか違う人みたいに見えた。
そして、とんでもないことに気づく。
あたしは酒井君のこと、本当に何も知らないんだな、と。
酒井君の顔から穏やかな笑みが消えていたから。どこの言葉が引っ掛かったのかは分からない。でも、あたし、間違ったことは言っていない……よね?
「仲田……」
「は……い」
なんなんだ、この空気感。あたし達、さっきまであんなに楽しかったのに。
何でこんなことになっているの?
無表情にも見える酒井君の整った顔からは何も読み取れない。
「……とりあえず、お前が35歳までに結婚出来るような作戦、思い付いたら連絡する。じゃーな」
えーーーっと?
さっきのキスは、もう話題にするにも値しないと?
あたしのこの憤りはどこにぶつければいいわけ?
ぽかんとするあたしをよそに、すたすたと駅とは違う方向へ歩いていってしまう。
その後ろ姿は、確かに酒井君なんだけど、何だか違う人みたいに見えた。
そして、とんでもないことに気づく。
あたしは酒井君のこと、本当に何も知らないんだな、と。