金魚の見る夢
☆
☆
サヨナラも言えずに訪れる別れは心に鉛玉を残す。
だから、事有る毎にサヨナラを言う弱虫な私。
「サヨナラまた来年も飲むのだ。」
ってな具合。
愛してるぞぉと真奈美に抱きついて見る。
歩道にはまだ人がいて、こっち見てるけど構うもんか、この面覚えとけ。
そしたら、急に予想外の力で真奈美にぎゅぅってされた。
「あたしも、愛してるよん。」
ありゃ、キスされた。
うふふ、気持ちええ。
「お前ら大丈夫か?」
相澤が笑っている。
「妬くな相澤もこっちゃ来い。」
あはは、私、酔ってます。
居酒屋の後、何件行ったかな?
でも、もっとこうして居たい。
何でかな、今日は帰りたくない、なんてたちの悪い女みたいな事が頭よぎる。
くにゃりと口をwにして笑う奈々が一緒にいるみたいで。
それが、今だけの魔法みたいに思えて。
だけど、タクシーの集まる駅方面に向けて歩く。
明日を迎えなきゃ、何と無くでも良いから。
同じ所に居たくても、時間は過ぎていくから。
ああ、言葉が足りなくてもどかしい。
こんちくしょう。
相澤がタクシーを捕まえた。
「ほれ、みづき先に乗れ。」
タクシーに相澤が行き先を大雑把に告げ、私が細く補足する。
二人はまたタクシーの捕獲にかかる。
「バイバイ、また飲もう。」
窓を開けて手を振ると二人も振り返してくれる。
私は走りだしたタクシーのリアガラス越しに、二人が見えなくなるまで後ろを向いていた。
サヨナラも言えずに訪れる別れは心に鉛玉を残す。
だから、事有る毎にサヨナラを言う弱虫な私。
「サヨナラまた来年も飲むのだ。」
ってな具合。
愛してるぞぉと真奈美に抱きついて見る。
歩道にはまだ人がいて、こっち見てるけど構うもんか、この面覚えとけ。
そしたら、急に予想外の力で真奈美にぎゅぅってされた。
「あたしも、愛してるよん。」
ありゃ、キスされた。
うふふ、気持ちええ。
「お前ら大丈夫か?」
相澤が笑っている。
「妬くな相澤もこっちゃ来い。」
あはは、私、酔ってます。
居酒屋の後、何件行ったかな?
でも、もっとこうして居たい。
何でかな、今日は帰りたくない、なんてたちの悪い女みたいな事が頭よぎる。
くにゃりと口をwにして笑う奈々が一緒にいるみたいで。
それが、今だけの魔法みたいに思えて。
だけど、タクシーの集まる駅方面に向けて歩く。
明日を迎えなきゃ、何と無くでも良いから。
同じ所に居たくても、時間は過ぎていくから。
ああ、言葉が足りなくてもどかしい。
こんちくしょう。
相澤がタクシーを捕まえた。
「ほれ、みづき先に乗れ。」
タクシーに相澤が行き先を大雑把に告げ、私が細く補足する。
二人はまたタクシーの捕獲にかかる。
「バイバイ、また飲もう。」
窓を開けて手を振ると二人も振り返してくれる。
私は走りだしたタクシーのリアガラス越しに、二人が見えなくなるまで後ろを向いていた。