金魚の見る夢
☆
☆
『ああ、その話しなら聞いた事有るね。』
携帯ごしに真奈美の声が耳を擽る。
何だか心地よい。
「奈々が映ってるんだもん、びっくりしたよ。」
先程、先日見た奈々が出ていた映画の事を話した所だ。
『女優志望だったみたいね、あたしは風俗上がりだけどね。』
真奈美のカラカラと乾いた笑いが響く。
「私はスカウト・・・奈々は何でだろう。」
そんな事考えた事無かった。
いや、考えて無いふりしてた。
うーん、思考停止。
「そういや二人、式挙げないの?」
突然の話題変更に、電波越しにも、たじろぐのが判った。
『あ゛〜うん、色々と面倒でね。』
ははぁ、色々あるんだね。
「また、お祝いの飲み会をしようよ。」
『良いねぇ、カラオケも行きたい。』
「また、予定決めておいて。」
『オッケーだ、おっともうこんな時間。』
「あら、じゃあ予定決まったら電話して。」
『うん。』
「うん。」
『じゃ。』
「バイバイ。」
こうやって。
ゆっくりとした別れが染み込んでくるんだろうな。
『ああ、その話しなら聞いた事有るね。』
携帯ごしに真奈美の声が耳を擽る。
何だか心地よい。
「奈々が映ってるんだもん、びっくりしたよ。」
先程、先日見た奈々が出ていた映画の事を話した所だ。
『女優志望だったみたいね、あたしは風俗上がりだけどね。』
真奈美のカラカラと乾いた笑いが響く。
「私はスカウト・・・奈々は何でだろう。」
そんな事考えた事無かった。
いや、考えて無いふりしてた。
うーん、思考停止。
「そういや二人、式挙げないの?」
突然の話題変更に、電波越しにも、たじろぐのが判った。
『あ゛〜うん、色々と面倒でね。』
ははぁ、色々あるんだね。
「また、お祝いの飲み会をしようよ。」
『良いねぇ、カラオケも行きたい。』
「また、予定決めておいて。」
『オッケーだ、おっともうこんな時間。』
「あら、じゃあ予定決まったら電話して。」
『うん。』
「うん。」
『じゃ。』
「バイバイ。」
こうやって。
ゆっくりとした別れが染み込んでくるんだろうな。