金魚の見る夢


黒い生地に楓が舞っている。

今日は和服でおめかししてみた。

雑誌の対談が料亭と聞いたからで、現場に付くなり『正解』と指を鳴らしてしまった位ヒットです。

美容院、予約して髪を上げた甲斐が有ると云う物だ。

それにしても、こんな世界も有るんだなあ。

ビルの谷間にポツンと空いた、そこには侘と寂が漂っていた。

逆に大丈夫なのと心配に成った位にセレブリティな雰囲気。

今も、ガラス越しにシンとした庭が広がっている。

勿論広さはそれなりなのだけど、感覚として広がっていた。

うん、目の保養になります。

さて、今回の対談、ある映画監督とするのだが、勿論向こうがメインで。

どうも、以前私が書いたエッセイを読んで下さり、尚且つ気に入って下さったと云う事で呼んで下さった様子。

新進気鋭のその監督。

駿河 一英

するが いちえ と読ませる辺りかなり無理を感じる。

本名は間違いなくカズヒデだろうよ。

とまあ、突っ込みはこの辺にしておいてだ。

対談に先駆け、渡された資料にクイと引き付けられる経歴が有った。

監督作品に並ぶタイトルの一番初め。

『天国アパート』


すぐに、壁に耳を付けクニャリと笑う奈々の顔が頭に浮かんだ。


此れは、運命でしょうか?

まあ、色恋絡みで無い事は確かですが。
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