金魚の見る夢


料亭から部屋に帰ると一気に力が抜けた。

だけど着物がシワにならない様に衣紋掛けに吊す。

髪を下ろしてジャージに着替えてやっと一心地。

はあ。。。

結局、奈々に宿った種は誰の物だったのだろう?

AV男優と噂は有った。

でも、奈々は否定してたし、私もそれ以上突っ込まなかったし。

深く掘り下げ無い様にしたいけど気になるのは、仕方ない。

けど考えても答えは出ない。

勿論聞く訳にもいかない。

奈々は返事しない。

相澤は・・・そんな面倒を今持ち込む事はないし。

何故そんな風に考えるのかはじぶんでも分からない。
ただ心はモヤモヤしたまま。

うーん、よし魂のお洗濯。

出でよ、焼酎。

そして私を忘却の園に連れて行って。

って、なんじゃそりゃ。

テンションもおかしく成ってきた。

まっ、飲み直しますか。


台所から焼酎と梅干を手に手に。

グラスは焼酎に被せて。

さあ、おじさん化です。
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