金魚の見る夢
☆
☆
不意に鳴る着信音は心臓に悪い。
ジャージでソファーに寝転んでいた私はビクリとしてしまいました。
午後の緩やかな時間、小説を読んで過ごしていたらつい集中してたみたいで。
ノロノロと携帯を手に取るとメールが一件。
駿河監督から。
前のメールから一週間放置してしまいました。
画面には『明日、暇ですか?』
タイトルも無し。
少し考えてメモリーから『監督』を捜索。
エイっ!と発信ボタンを押す。
1、2、3コール目で繋がる。
『はい、駿河です。』
渋い声だ。自分も役者すれば良いのに。
「鈴里です、今大丈夫ですか?」
淑やかに淑やかに。
「ええ、メールの件ですね。」
そりゃそうです。
「明日は特に」
「デートでもしませんか?」
監督の痩せた髭面を思い起こし、失礼ながら少し吹く。
「ダメですか。」
メールなら右下がり放物線矢印(青)が入る所かな。
「いーえ、嬉しいです、でもまだ決まって無いから出演交渉込みなら断りますよ。」
「目的の1割を失いましたがそれでも価値大ですね。」
おや。
「嬉しいです。」
「昼飯からどうです?」
夜かと思ったから意外。
「良いですよ。」
「じゃあ11時頃に迎えに行きます。」
「車ですか?」
「恥ずかしながら。」
何が恥ずかしいのか良く分からないけど。
「楽しみに待ってます。」
アパートの位置をメールで伝える約束をして切ボタンを押す。
ワクワクしている自分が少し可愛い。
現在地とアパート名前をメールで送信。
さて、取り敢えずは小説の続きでも読んで落ち着くかな。
でも明日、何着てこう。
不意に鳴る着信音は心臓に悪い。
ジャージでソファーに寝転んでいた私はビクリとしてしまいました。
午後の緩やかな時間、小説を読んで過ごしていたらつい集中してたみたいで。
ノロノロと携帯を手に取るとメールが一件。
駿河監督から。
前のメールから一週間放置してしまいました。
画面には『明日、暇ですか?』
タイトルも無し。
少し考えてメモリーから『監督』を捜索。
エイっ!と発信ボタンを押す。
1、2、3コール目で繋がる。
『はい、駿河です。』
渋い声だ。自分も役者すれば良いのに。
「鈴里です、今大丈夫ですか?」
淑やかに淑やかに。
「ええ、メールの件ですね。」
そりゃそうです。
「明日は特に」
「デートでもしませんか?」
監督の痩せた髭面を思い起こし、失礼ながら少し吹く。
「ダメですか。」
メールなら右下がり放物線矢印(青)が入る所かな。
「いーえ、嬉しいです、でもまだ決まって無いから出演交渉込みなら断りますよ。」
「目的の1割を失いましたがそれでも価値大ですね。」
おや。
「嬉しいです。」
「昼飯からどうです?」
夜かと思ったから意外。
「良いですよ。」
「じゃあ11時頃に迎えに行きます。」
「車ですか?」
「恥ずかしながら。」
何が恥ずかしいのか良く分からないけど。
「楽しみに待ってます。」
アパートの位置をメールで伝える約束をして切ボタンを押す。
ワクワクしている自分が少し可愛い。
現在地とアパート名前をメールで送信。
さて、取り敢えずは小説の続きでも読んで落ち着くかな。
でも明日、何着てこう。