金魚の見る夢
☆
☆
「じゃあ今年一年お疲れ様でした。」
真奈美の音頭で冷えたジョッキを合わせる。
真奈美の知り合いが営む居酒屋はまだ新しく、でも落ち着いたしっとりとした和の雰囲気。
カウンターとテーブルが三つ。
暖かな木床が心地よい。
で一番奥のテーブルが私達の陣地。
他の席も全て埋まっている。
「はい、真奈美ちゃんこれサービス。」
私とそう歳の違わない男性が刺身の盛り合わせが乗った皿を持って来る。
藍色に白襟の作務衣が似合っている。
「有り難う大将。」
男性が差し出す皿を真奈美が満面の笑みで受け取る。
どうやら彼が知り合いらしい。
ちらりと自称、嫉妬焼きの旦那をみると、幸せそうにビールを呷っている。
真奈美は皿をテーブルの中央に据えるとこちらをを向いてニコり。
「こちら、『咲良』の大将で飯田君。」
真奈美は手のひらを男性に向ける。
因みに咲良と云うのがこの店の名前だ。
「どうも。」
飯田君、ペコリ。
「こちら、トップ女優の鈴里みづきさん。」
真奈美、今度は手のひらを私に、目線を男性に。
「トップだなんておこがましいです。」
なんて言いながら私もペコリ。
「じゃあ、ゆっくり楽しんで行って下さい。」
カウンターに戻る飯田君を見送ってから刺身に手を出す。
多分、ブリだかカンパチだか。
「ん、旨い。」
「でしょ、奴しばらくホテルの厨房にいたんだ。」
ほふほふと揚げ出し豆腐を頬張りながら真奈美。
「因みに真奈美の同郷。」
相澤が枝豆を手に捕捉。
「そう言や真奈美も苗字出来たんだね。」
「本名は元から有ったつうの。」
なんて真奈美の突っ込みをツマミにビールをぐびり。
ああ幸せ。
「じゃあ今年一年お疲れ様でした。」
真奈美の音頭で冷えたジョッキを合わせる。
真奈美の知り合いが営む居酒屋はまだ新しく、でも落ち着いたしっとりとした和の雰囲気。
カウンターとテーブルが三つ。
暖かな木床が心地よい。
で一番奥のテーブルが私達の陣地。
他の席も全て埋まっている。
「はい、真奈美ちゃんこれサービス。」
私とそう歳の違わない男性が刺身の盛り合わせが乗った皿を持って来る。
藍色に白襟の作務衣が似合っている。
「有り難う大将。」
男性が差し出す皿を真奈美が満面の笑みで受け取る。
どうやら彼が知り合いらしい。
ちらりと自称、嫉妬焼きの旦那をみると、幸せそうにビールを呷っている。
真奈美は皿をテーブルの中央に据えるとこちらをを向いてニコり。
「こちら、『咲良』の大将で飯田君。」
真奈美は手のひらを男性に向ける。
因みに咲良と云うのがこの店の名前だ。
「どうも。」
飯田君、ペコリ。
「こちら、トップ女優の鈴里みづきさん。」
真奈美、今度は手のひらを私に、目線を男性に。
「トップだなんておこがましいです。」
なんて言いながら私もペコリ。
「じゃあ、ゆっくり楽しんで行って下さい。」
カウンターに戻る飯田君を見送ってから刺身に手を出す。
多分、ブリだかカンパチだか。
「ん、旨い。」
「でしょ、奴しばらくホテルの厨房にいたんだ。」
ほふほふと揚げ出し豆腐を頬張りながら真奈美。
「因みに真奈美の同郷。」
相澤が枝豆を手に捕捉。
「そう言や真奈美も苗字出来たんだね。」
「本名は元から有ったつうの。」
なんて真奈美の突っ込みをツマミにビールをぐびり。
ああ幸せ。