金魚の見る夢
☆
☆
「駿河監督ですよね、どうして?」
真奈美は私と相澤を交互に見る。
「俺は昔の同僚だけど。」
「まあ座って下さい。」
相澤は、真奈美の誘導で私の隣に座る監督を不思議そうに見ている。
「鈴里さんとは、雑誌の対談で知り合いまして。」
監督は頭をポリポリ。
「まあ、そんな所で。」
私も頭をポリポリ。
「飲み物は?」
私の問いに監督は取り敢えずビールと答える。
「『蒼い魚』見ました、何だろう、綺麗でした。」
真奈美、話題をスライド。
「有り難うございます、鈴里さんにもそう言って貰いました、やはり僕の作品の中では『蒼い魚』がまだ有名な方ですかね?」
監督、妙に真剣な表情。
「人気なのは『花音』とか『僕と依千佳の365日』の方かな、私は個人に『蒼い魚』が一番好きだけど。」
私の答えに真奈美が頷く。
「あたしも『花音』か『蒼い魚』かな。」
『花音』は、監督の出世作で当時、無名だった主演女優も一緒に有名になった。
因みに『蒼い魚』は、『花音』より前の作品になる。
「生お待ち。」
飯田氏が監督のビールを持ってきた。
「では、改めて乾杯しますか。」
真奈美がグイと焼酎の入ったグラスを掲げたのでそれに習う。
「年末のお疲れ様と新たな縁に乾杯。」
四つのアルコールがチンと揺れた。
一つ分かった事。
基本、相澤家は真奈美が仕切っているんだろうな。
「駿河監督ですよね、どうして?」
真奈美は私と相澤を交互に見る。
「俺は昔の同僚だけど。」
「まあ座って下さい。」
相澤は、真奈美の誘導で私の隣に座る監督を不思議そうに見ている。
「鈴里さんとは、雑誌の対談で知り合いまして。」
監督は頭をポリポリ。
「まあ、そんな所で。」
私も頭をポリポリ。
「飲み物は?」
私の問いに監督は取り敢えずビールと答える。
「『蒼い魚』見ました、何だろう、綺麗でした。」
真奈美、話題をスライド。
「有り難うございます、鈴里さんにもそう言って貰いました、やはり僕の作品の中では『蒼い魚』がまだ有名な方ですかね?」
監督、妙に真剣な表情。
「人気なのは『花音』とか『僕と依千佳の365日』の方かな、私は個人に『蒼い魚』が一番好きだけど。」
私の答えに真奈美が頷く。
「あたしも『花音』か『蒼い魚』かな。」
『花音』は、監督の出世作で当時、無名だった主演女優も一緒に有名になった。
因みに『蒼い魚』は、『花音』より前の作品になる。
「生お待ち。」
飯田氏が監督のビールを持ってきた。
「では、改めて乾杯しますか。」
真奈美がグイと焼酎の入ったグラスを掲げたのでそれに習う。
「年末のお疲れ様と新たな縁に乾杯。」
四つのアルコールがチンと揺れた。
一つ分かった事。
基本、相澤家は真奈美が仕切っているんだろうな。