潮風の香りに、君を思い出せ。
裸足は砂が熱いんじゃないかと思うけれど、確かに革靴は海にはつらそうだ。
そう思って見ていたら、コンビニの袋からビーチサンダルが出てきた。しかも二つ。
「はい、履き替えて」
一つは私の足元に無造作に置かれた。
「私の分も買ってくれたんですか?」
「海はビーサンでしょ」
「ワイシャツにビーサン。斬新ですね」
「さすがに服はなかったなあ、コンビニは。Tシャツだけでもあるかと思ったけど、下着だった」
Tシャツにスーツのズボンというのもすごいのではと想像できるけど、あったら買ったんだろう、本気で残念そうにしている。
サンダルだけでも、大地さんはなんとも微妙な格好になっていた。でも変に似合う気もする。
大地さんのサンダルは黒で、私のは派手なピンク。言われるままに私も履き替えると、柔らかい砂の感触が伝わってきて予想以上に気持ちがいい。
「足が自由な感じです!」
思わずはしゃいだ声が出た。コンバースのスニーカーは革靴みたいに窮屈だったわけじゃないけど、やっぱり素足は気持ちいい。
「そういうと思ったよ」
機嫌よく私の足元を確認した大地さんは、自分の靴と私の脱いだ靴を拾って、これもコンビニで調達したらしい、ショップでもらえるような白いビニールバッグに入れると斜め掛けした。
なんかもう、見た目はどうでもいいんだな。
おかしいな、かっこいい人ってこういうことしなさそうだけど。
人のかっこよさが私にはイマイチわからないだけで、見る人が見ればこれでもかっこいいのかもしれない。どうだろう。
ビーサン代を払わなくていいのかなと少し迷った。社会人だしお昼もご馳走するって言ってくれてたし、変に気を遣わないほうがいいだろうと勝手に決めた。
「よし、行こうか」
大地さんは今度こそ歩き出した。海に向かって右手、遠くに緑が見える方向へ向かう。私も新しいビーサンで指を傷つけないように気をつけつつ、そろそろと歩いて後をついて行く。
砂浜を歩くなんて何年ぶりかな。少なくとも大学生になってからは初めてだ。
去年彼と海に行こうと話をしてて、結局行かずじまいだった。正直言うと、海水浴場は人が多すぎて迷子になりそうで怖い。
彼氏であっても人混みで見つけられる自信はそれほどなかった。そう言ってみても、心配しすぎと笑われて信じてもらえなかったけど。
そう思って見ていたら、コンビニの袋からビーチサンダルが出てきた。しかも二つ。
「はい、履き替えて」
一つは私の足元に無造作に置かれた。
「私の分も買ってくれたんですか?」
「海はビーサンでしょ」
「ワイシャツにビーサン。斬新ですね」
「さすがに服はなかったなあ、コンビニは。Tシャツだけでもあるかと思ったけど、下着だった」
Tシャツにスーツのズボンというのもすごいのではと想像できるけど、あったら買ったんだろう、本気で残念そうにしている。
サンダルだけでも、大地さんはなんとも微妙な格好になっていた。でも変に似合う気もする。
大地さんのサンダルは黒で、私のは派手なピンク。言われるままに私も履き替えると、柔らかい砂の感触が伝わってきて予想以上に気持ちがいい。
「足が自由な感じです!」
思わずはしゃいだ声が出た。コンバースのスニーカーは革靴みたいに窮屈だったわけじゃないけど、やっぱり素足は気持ちいい。
「そういうと思ったよ」
機嫌よく私の足元を確認した大地さんは、自分の靴と私の脱いだ靴を拾って、これもコンビニで調達したらしい、ショップでもらえるような白いビニールバッグに入れると斜め掛けした。
なんかもう、見た目はどうでもいいんだな。
おかしいな、かっこいい人ってこういうことしなさそうだけど。
人のかっこよさが私にはイマイチわからないだけで、見る人が見ればこれでもかっこいいのかもしれない。どうだろう。
ビーサン代を払わなくていいのかなと少し迷った。社会人だしお昼もご馳走するって言ってくれてたし、変に気を遣わないほうがいいだろうと勝手に決めた。
「よし、行こうか」
大地さんは今度こそ歩き出した。海に向かって右手、遠くに緑が見える方向へ向かう。私も新しいビーサンで指を傷つけないように気をつけつつ、そろそろと歩いて後をついて行く。
砂浜を歩くなんて何年ぶりかな。少なくとも大学生になってからは初めてだ。
去年彼と海に行こうと話をしてて、結局行かずじまいだった。正直言うと、海水浴場は人が多すぎて迷子になりそうで怖い。
彼氏であっても人混みで見つけられる自信はそれほどなかった。そう言ってみても、心配しすぎと笑われて信じてもらえなかったけど。