逆転恋愛 ~君との距離~
しばらく私達は見つめ合っていた。



別にそれには特別な意味なんて無かったけれども。



得に言うこともなくただ単に無言の状態が続いたと言うことだ。



不意に彼は口を開いた。



「お前は、なんであんな格好…?」



「あんた、デリカシーないのね。」



まぁ、別に深い理由なんてないのだけど。



いや、ホントは凄く凄く深くて届かない位の理由があるかもしれない。



だが、この人にそれを教える義務はないだろう。



すると彼は今の状況をやっと掴んできたのか、どこか余裕そうな顔で言ってきた。



「バレたら困るって事か。」



そう言った彼はもう、悪魔の笑みを浮かべていた。
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