逆転恋愛 ~君との距離~
「ひら、た…たい、が…、」



どうしたらいいか分からずに焦った声が出た。



「は、なに!?」



「あつ、い」



そう言いながらゆっくりと倒れていく憂。



それをなんとか抱き抱えて憂のデコに手を当てる。



「っ、熱あんじゃねーかよ…!」



倒れる瞬間に憂が呟いた名前は俺ではなく…。



「ひな、き…。」



―『ひなき』



2年前に事故で亡くなった俺の"親友"の名前だった。
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