花と光と奏で
『変わろうと、自分を見つめ直そうとした先輩を、嫌ったりしませんよ?』
つい今まで自分が泣いていたことなんか忘れて、自然と漏れ出た言葉と微笑み。
「すごいな。月瀬さん。
今の言葉だけで、俺を救ってくれんだから」
先輩の表情が一変して、私に向けられたのは甘い微笑み。
「………すげぇ好き」
『……………』
少しの間のあとの、いきなりの告白に耳を疑った。
それが自分の都合のいいように聞こえて、一瞬忘れていた時間を巻き戻して、胸を締めつけてくる。
「ずっと言いたくて、だけど怖くて……ずっと言えなかった。
……やっと自分を認めることが出来て、全てを月瀬さんに話そうと思った。
だから…あの日を招いたのが自分だと気づいた時は苦しくて……月瀬さんに死ぬほど会いたくて………
言葉にするのももどかしいぐらい……好きなんだ」
先輩の甘さを含んだ声に戸惑う。
だけど、受け入れることに、身にしみついていた拒絶が私の心を支配し始める。
「紫音が……好きだよ」
それなのに……初めて名前で呼ばれたことにその心が嬉しさに震えた。
嬉しくて仕方がないはずなのに、その感情とは相反して無意識に両の手のひらで目の前の胸を押す。
何も言えなくて、ただ首を左右に振るだけの、表情の無くなったであろう私を、それでもまだ優しく見つめ、微笑んだままの先輩。
だからか……また放たれた言葉に、私の中で凍っていたものが音をたて始めた。
つい今まで自分が泣いていたことなんか忘れて、自然と漏れ出た言葉と微笑み。
「すごいな。月瀬さん。
今の言葉だけで、俺を救ってくれんだから」
先輩の表情が一変して、私に向けられたのは甘い微笑み。
「………すげぇ好き」
『……………』
少しの間のあとの、いきなりの告白に耳を疑った。
それが自分の都合のいいように聞こえて、一瞬忘れていた時間を巻き戻して、胸を締めつけてくる。
「ずっと言いたくて、だけど怖くて……ずっと言えなかった。
……やっと自分を認めることが出来て、全てを月瀬さんに話そうと思った。
だから…あの日を招いたのが自分だと気づいた時は苦しくて……月瀬さんに死ぬほど会いたくて………
言葉にするのももどかしいぐらい……好きなんだ」
先輩の甘さを含んだ声に戸惑う。
だけど、受け入れることに、身にしみついていた拒絶が私の心を支配し始める。
「紫音が……好きだよ」
それなのに……初めて名前で呼ばれたことにその心が嬉しさに震えた。
嬉しくて仕方がないはずなのに、その感情とは相反して無意識に両の手のひらで目の前の胸を押す。
何も言えなくて、ただ首を左右に振るだけの、表情の無くなったであろう私を、それでもまだ優しく見つめ、微笑んだままの先輩。
だからか……また放たれた言葉に、私の中で凍っていたものが音をたて始めた。