花と光と奏で
傍ら
セカンドコンタクト/1
放課後の帰宅する生徒達がざわつく中、俺は校内のシンボルツリーを囲む少し高さのある花壇の一角へと腰を下ろした。
そこは俺から中等部の昇降口がよく見えて、その昇降口からは俺がよく見える。だから彼女がそこから出てきたら、俺はすぐに気づくことが出来るし、彼女も俺を見つけやすいだろう。
それでも今はまだ、その中等部の生徒達はまばらにしかその姿を現していなかった。
そんな中での俺は、彼女と約束を直接したわけではないから、この後の"寄り道"がまだ夢のようで少し不安さが残っていた。
俺は中等部の昇降口の方をまたチラッと見やり、彼女の姿が見えないことを確認してから、ズボンのポケットの中のスマホを取り出した。
時間を確認したあと、ふと思った寄り道の行き先。
あの日に辞書の話をしていたから、まずは本屋へ行くとして…それだけで帰るのは何としても避けたい俺は少し考えてからスマホを操作する。
二人だけの時間を増やしたい。
そんな思いが俺を占めていた。
検索アプリを使って、スマホの画面に立ち上げたのはカフェの特集ページ。
彼女のイメージを頭に浮かべつつページを捲る。
何度かスライドさせた時に、ある店舗のコンセプトにその手が止まった。
〜癒しカフェ〜
“あなたに幸せが訪れるように”
それがそのまま店の名前にもなっているようで、
フランス語で
“bonheur a vous”(ボヌール ア ヴ)
タップしてHPを開いた。
そのカフェは昼と夜の2部制になっているけど、その時間に区切り(一旦close)はなく、openからPM6:00頃までがカフェで、その店内にはクラッシックが流されている。
それ以降のcloseとなるPM11:00までがナイトカフェとして、その間はピアノの生演奏が披露されていた。
俺は一通り目を通してから場所の確認をしてみた。
この辺りからは少し距離があって、学校帰りに立ち寄るには…
"時間的に厳しいな"
でも、
"いつか彼女と一緒に行ってたみたい"
と思わせる場所だった。
**
そこは俺から中等部の昇降口がよく見えて、その昇降口からは俺がよく見える。だから彼女がそこから出てきたら、俺はすぐに気づくことが出来るし、彼女も俺を見つけやすいだろう。
それでも今はまだ、その中等部の生徒達はまばらにしかその姿を現していなかった。
そんな中での俺は、彼女と約束を直接したわけではないから、この後の"寄り道"がまだ夢のようで少し不安さが残っていた。
俺は中等部の昇降口の方をまたチラッと見やり、彼女の姿が見えないことを確認してから、ズボンのポケットの中のスマホを取り出した。
時間を確認したあと、ふと思った寄り道の行き先。
あの日に辞書の話をしていたから、まずは本屋へ行くとして…それだけで帰るのは何としても避けたい俺は少し考えてからスマホを操作する。
二人だけの時間を増やしたい。
そんな思いが俺を占めていた。
検索アプリを使って、スマホの画面に立ち上げたのはカフェの特集ページ。
彼女のイメージを頭に浮かべつつページを捲る。
何度かスライドさせた時に、ある店舗のコンセプトにその手が止まった。
〜癒しカフェ〜
“あなたに幸せが訪れるように”
それがそのまま店の名前にもなっているようで、
フランス語で
“bonheur a vous”(ボヌール ア ヴ)
タップしてHPを開いた。
そのカフェは昼と夜の2部制になっているけど、その時間に区切り(一旦close)はなく、openからPM6:00頃までがカフェで、その店内にはクラッシックが流されている。
それ以降のcloseとなるPM11:00までがナイトカフェとして、その間はピアノの生演奏が披露されていた。
俺は一通り目を通してから場所の確認をしてみた。
この辺りからは少し距離があって、学校帰りに立ち寄るには…
"時間的に厳しいな"
でも、
"いつか彼女と一緒に行ってたみたい"
と思わせる場所だった。
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