花と光と奏で
停滞
あの寄り道デートの日以来、ほぼ毎日と言っていいほど放課後の時間を彼女と過ごしていた。
そんな二人の姿が早くも周知となり、俺にとっては“カレカノ”という嬉しい噂を招いている。
だけど噂は噂であって真実ではない。
そのことにもどかしさを感じて、早くそうなりたいと願ってはいるけど…
♪〜〜♪♪〜…
そんな思いとは反して、今日も鳴り出した俺のスマホ。
その鳴らし主は他校にいた関係があった女達で、彼女と出会ってからの俺がその電話に出ることも、かけることも無くなった相手。
利害関係が一致していたその付き合いに、俺は無言を示していた。
『出ないんですか?』
スマホの画面を見ていた俺がその電話に出ないことが不思議に思うのか、隣にいた彼女が俺を見上げて聞いてきた。
今日は中央棟の図書室ではなく、駅近に建つショッピングモールに来ていて、彼女は来週に控えた“父の日”に父親に贈るためのプレゼントを選んでいた。
何店舗か見たあとその中でプレゼントを決めると言った彼女は、その前に何か甘いものが飲みたいと言って、モール内の広場のワゴンショップでショコラフラペチーノを買い、俺はアイスコーヒーを片手にその付近に設置されていたベンチに今は二人で座っている。
そんな二人の姿が早くも周知となり、俺にとっては“カレカノ”という嬉しい噂を招いている。
だけど噂は噂であって真実ではない。
そのことにもどかしさを感じて、早くそうなりたいと願ってはいるけど…
♪〜〜♪♪〜…
そんな思いとは反して、今日も鳴り出した俺のスマホ。
その鳴らし主は他校にいた関係があった女達で、彼女と出会ってからの俺がその電話に出ることも、かけることも無くなった相手。
利害関係が一致していたその付き合いに、俺は無言を示していた。
『出ないんですか?』
スマホの画面を見ていた俺がその電話に出ないことが不思議に思うのか、隣にいた彼女が俺を見上げて聞いてきた。
今日は中央棟の図書室ではなく、駅近に建つショッピングモールに来ていて、彼女は来週に控えた“父の日”に父親に贈るためのプレゼントを選んでいた。
何店舗か見たあとその中でプレゼントを決めると言った彼女は、その前に何か甘いものが飲みたいと言って、モール内の広場のワゴンショップでショコラフラペチーノを買い、俺はアイスコーヒーを片手にその付近に設置されていたベンチに今は二人で座っている。