花と光と奏で
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「あの二人、すでに煌暉には確認済みだったんだな」

二人が去っていく後ろ姿を見ながらそうつぶやいた七聖くん。

「安心したよ。やっぱり紫音だな」

そして七聖くんの横に移動していた私へ向き直り、七聖くんは笑みを深めた。

『やっぱりって?………それよりも七聖くんよかったの?』
「何が?」
『私のこと隠してたんじゃ…』
「隠してたわけじゃないよ。わざわざ宣言することでもないから黙ってただけ。それに、校内で紫音と話す機会もなかったしな」
『そうだったね…』

私は一瞬去年まで自分がいた場所のことを思い出した。
七聖くんがそのことに触れてくるはずがないのに……

スッと落とした私の視線を敏感に感じ取ったのか、

「同じ敷地内でも中等部と高等部とではそのキョリは近いようで遠いからな」
『ん』
「そんなに俺と話したかった?」

私を気づかい、話まですり替えようとしてくれる。
いつだって私を大切に守ってくれる。

だから私は甘えちゃいけない。
もっと強くならなきゃ。

『そうだね。
でも七聖くんとは学校じゃないところでも会えるし、話せるからそれで十分だよ。メールだって出来るしね』

七聖くんを斜め下からのぞき込み、

『だから大丈夫。ありがとう』

と私は微笑んだ。

「そっか」

七聖くんも私に微笑みで返してくれて、ポンッと頭に乗せられた手はとても優しかった。
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