花と光と奏で
「その新規の仕事は他のブランドとのコラボなんだけど、コラボってことは相手がいるわけで、それが女の子なんだよね。専属採用はありがたいけど、ちょっと面倒なことになりそうで……OKしてない」
そう話す先輩の顔が苦笑から困ったような、それでいて少しうんざりとしたような表情に変わった。
『面倒?』
「ん。コラボの相手は候補が何人かいて、その中にちょっとな……手を焼いてるっつーか……」
『モテるんですね』
「……………」
私の一言にまた先輩が苦笑した。
「俺自身を見てるわけじゃないよ…」
ハァッと音の無い溜息をもらして、なぜか切なげな瞳で私を見つめてきた。
『先輩?』
「や……月瀬さんがその相手だったら即答でOKの返事すんだけど。なんて。ハハッ」
先輩が今度はいたずらに笑う。
『でも、先輩はもう本当は答えが出てるんですよね?
今のお話のことは本当に困ってらっしゃるんでしょうけど、それ以上にお仕事がお好きですよね。
私は先輩の実際にお仕事をしてる姿は見たことは無いですし、今聞いた以外のそこでの事情もわかりません。
だけど雑誌の中の先輩は楽しそうにしてて、真剣に取り組まれていることが伝わってきましたよ?お好きなんだなって』
「雑誌?……知らなかったんじゃねぇの?」
『碧のお兄さんが持っていて、お家にオジャマした時にお願いして見せてもらいました。フフッ』
私はその時のことを思い浮かべて、思わず笑みの声がもれた。
「……見たんだ。何か…恥ずかしいな…」
『カッコ良かったですよ』
「//////」
私のそれを見た時の素直な感想の言葉に、先輩の顔が赤く染まった。
その顔を隠すように先輩が止めていた足を踏み出す。
だから考えるまでもなく、その行動に私の身体も反応した。
そしてまた二人で自然と歩き出した。
"こんな顔初めて見せてくれたかも"
先輩の隣を歩きながら私の思考はそんなことを考えていて、先輩の無防備なまでのその表情を見れたことに、私の中にあった嬉しさがさらに膨れ上がっていた。
これからも傍にいることが出来るなら、もっといろんな表情を見せてくれるかもしれない。という欲が私に芽生えてくる。
"お仕事をしてる先輩も見てみたいな"
だけど、そんなことはムリで…
『それと…さっきのはダメですよ』
「ダメ?」
『私は一般人なので、先輩のお仕事のお相手にはなれません』
「え!?それって……モデルだったらOKってこと?
…いや、……やっぱダメ。それは絶対ダメ。つい願望……じゃなくて、これ以上他のヤツらに見せたくねぇし」
『?』
「ハハッ 俺の事情。
でもやっぱり月瀬さんだな。俺をよくわかってくれてる。
仕事のことも、それ以外のことも。マジ嬉しい」
ニッと笑った先輩とそんな会話をしながら二人で正門を出た。
そう話す先輩の顔が苦笑から困ったような、それでいて少しうんざりとしたような表情に変わった。
『面倒?』
「ん。コラボの相手は候補が何人かいて、その中にちょっとな……手を焼いてるっつーか……」
『モテるんですね』
「……………」
私の一言にまた先輩が苦笑した。
「俺自身を見てるわけじゃないよ…」
ハァッと音の無い溜息をもらして、なぜか切なげな瞳で私を見つめてきた。
『先輩?』
「や……月瀬さんがその相手だったら即答でOKの返事すんだけど。なんて。ハハッ」
先輩が今度はいたずらに笑う。
『でも、先輩はもう本当は答えが出てるんですよね?
今のお話のことは本当に困ってらっしゃるんでしょうけど、それ以上にお仕事がお好きですよね。
私は先輩の実際にお仕事をしてる姿は見たことは無いですし、今聞いた以外のそこでの事情もわかりません。
だけど雑誌の中の先輩は楽しそうにしてて、真剣に取り組まれていることが伝わってきましたよ?お好きなんだなって』
「雑誌?……知らなかったんじゃねぇの?」
『碧のお兄さんが持っていて、お家にオジャマした時にお願いして見せてもらいました。フフッ』
私はその時のことを思い浮かべて、思わず笑みの声がもれた。
「……見たんだ。何か…恥ずかしいな…」
『カッコ良かったですよ』
「//////」
私のそれを見た時の素直な感想の言葉に、先輩の顔が赤く染まった。
その顔を隠すように先輩が止めていた足を踏み出す。
だから考えるまでもなく、その行動に私の身体も反応した。
そしてまた二人で自然と歩き出した。
"こんな顔初めて見せてくれたかも"
先輩の隣を歩きながら私の思考はそんなことを考えていて、先輩の無防備なまでのその表情を見れたことに、私の中にあった嬉しさがさらに膨れ上がっていた。
これからも傍にいることが出来るなら、もっといろんな表情を見せてくれるかもしれない。という欲が私に芽生えてくる。
"お仕事をしてる先輩も見てみたいな"
だけど、そんなことはムリで…
『それと…さっきのはダメですよ』
「ダメ?」
『私は一般人なので、先輩のお仕事のお相手にはなれません』
「え!?それって……モデルだったらOKってこと?
…いや、……やっぱダメ。それは絶対ダメ。つい願望……じゃなくて、これ以上他のヤツらに見せたくねぇし」
『?』
「ハハッ 俺の事情。
でもやっぱり月瀬さんだな。俺をよくわかってくれてる。
仕事のことも、それ以外のことも。マジ嬉しい」
ニッと笑った先輩とそんな会話をしながら二人で正門を出た。