猫の湯~きみと離れていなければ~
昨日は家の前で待ち構えていたママに、強制的に病院に連れて行かれて傷の手当てを受けた。
カラスに襲われたってことだけは話したけど、ママにはその後に写真をとられたことと、涙が止まらないわけを話せずにいた。
「お昼から、学校で先生方と向こうの親御さんたちとでお話しすることになったから。パパもお仕事休んでこっちに向かってるわ。だから鈴は何も心配しなくていいのよ」
そうは言っているけどママはわたしのスマホをどこかに隠してる。わたしはそれに気づいてはいないフリはしているけれど。
きっとネットの検索をかけないようにしてるってことだと思うから、やっぱり美穂と久美子が何かしているのは間違いない。
わたしがあのときに逃げ出さずに対応していれば、パパとママに迷惑をかけずにすんだのに。
「ごめんなさい」
「どうして謝るの? パパとママは何があっても、命にかえても鈴を絶対にまもるから、…ね? 」