猫の湯~きみと離れていなければ~

前の家に戻って転入か。
それもアリなのかもしれない。


来年まではパパと暮らして、2年生になったら一人暮らし。
あ、それはママが許さないかも。
じゃあママが来て、パパがこの家に一人暮らしかな。


計画をたてると少しだけ現実味を帯びてくる。


そうすれば、あの美穂と久美子に顔を合わせることはなくなる。


莉子と陽向を見なくてすむ。

つらい思いをしなくてすむ。


でもパパとママにそんなことをさせるつもりなんて、カケラも思っていないんだけれど。


それよりも、あのいい加減なママがここまで考えていたなんて思いもしなかった。

はっきり言ってショックだったし、考えさせてしまった自分が弱すぎて情けなくなってしまう。

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