猫の湯~きみと離れていなければ~
わたしは起き上がると本棚から中学生のときのアルバムを取り出した。
ママが転入なんて言い出すから、急に友達の顔が見たくなってしまった。
でもベットに座って開くと、間違って別のアルバムを持って来たことに気がついた。
それは陽向とのアルバム。
家族ぐるみすぎて、赤ちゃんのときからほとんどの写真には陽向とわたしが一緒に写っている。
ほぼ同じ内容のアルバムが陽向の家にもある。
オムツ姿で並んで寝ている2人、ハイハイを競う2人、真っ赤な顔をして大泣きしているわたしをよしよしする陽向。
「これソフトクリーム落としたときだ。陽向ってばソフトクリーム大好きなのに、自分のをわたしにくれたんだよね…。くれる直前に大きなお口で一口食べてたけど」
入園式もお祭りもクリスマスも遠足も…
いつもいつも
わたしたちは一緒だったのに