猫の湯~きみと離れていなければ~

わたしがゆっくりと金と銀の頭やお腹を優しく撫でていくと、その度に金と銀の目は細くなっていった。

この子たちが眠ったら、遇さんたちに伝えにいった方がよさそうだよね。


ああ、やっぱりだ。

わたしは2匹が首紐についているアーモンド型のチャームがずっと気になっていた。

それは溶岩のように赤く、金の曲線が渦をまくように描かれていて、その曲線は光の粒子を放ちながら中心へと流れている。


陽向がくれたとんぼ玉とそっくり。
どうして同じ物を持っているの?


もしかしてこの子たちの親がわたしのとんぼ玉を持っているのかもしれない。


くー、くー、と小さな寝息が聞こえてきた。


さっきまであんなに走り回っていたのに、もう夢の中なのね。

純真無垢な寝顔にまた胸がきゅんとなってしまった。







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