猫の湯~きみと離れていなければ~
「朝ごはんの準備できているけど、持ってこようかにゃ? 」
「倫くんはもう食べたの? まだなら一緒に食べようよ」
こんな広い部屋で一人で食べるのは味気ない。
昨日ここまで運んでもらったことを謝り、…お礼もみんなに言わなきゃ。
「まだにゃ。でもボクたちはいつも居間で食べてるにゃ」
「じゃあわたしもそこに行ってもいい?」
「もちろんにゃっ」
嬉しそうにしっぽを立てた倫はさっさと布団をしまうと、座卓の片付けをはじめた。
「倫くん、おにぎりありがとうね。おかげで助かっちゃった」
「お腹ペコペコだったにゃ? 」
「そうだったみたい。美味しそうに食べてたよ」
「にゃ? 誰かきたにゃ? 」
倫は首をかしげながら、座卓におかれている何かに気がついた。