猫の湯~きみと離れていなければ~
あれは小学4年生のとき、もうすぐ夏休みになろうとしていたころだった。
いつものように陽向っていう幼なじみの男の子と学校から帰っていたら、神社の境内にカラスが群がって何かをつついていたの。
ゴミを散らかしているんだろうって思ったわたしたちは、子供なりの正義でカラスたちを追い払おうと走っていったの。
近くまで行くと、1羽のカラスがゴミをつまみ上げて高く放り投げた。
「みゃぁぁー」
か細い鳴き声。
そう、それはゴミじゃなかったの。
そこでわたしたちは子猫がつつかれていることに気がついた。