猫の湯~きみと離れていなければ~
「ボクたちが普通の猫で、先が別れているのが猫又にゃ」
「ねこまた? 」
「そうにゃ。鈴の世界でとても長生きした猫だけがなれる霊力がついた猫にゃ」
「れいりょく?」
金と銀の話といい、またそっち系の話になるっぽい予感がする。
「猫町の猫は大半が亡くなった後にここで飼い主様を待っているにゃ。でも猫又になった猫は霊力を使って、ここと鈴さんの世界を自由に行き来できるにゃ」
「じゃあ長さんも猫又ってこと?」
「それと女将も猫又にゃ」
霊力か。
確かに、あのしっぽを持っただけでここに連れて来られたし。
…でも、ここに来るには幽体離脱かあの世の住人にならないと来れないんだよね。
なんでわたし幽体離脱なんてしてたの?
まさかこれも猫又長さんの仕業なの?
猫又ってそんなにすごいの?