猫の湯~きみと離れていなければ~

「鈴ちゃん! こっちこっち! 」


もう1度、と最後尾から流れに乗ろうとチャレンジしているわたしに、明るく懐かしい声が呼びかけてきた。


振り返ると、ママの側にいるメガネをかけたスーツ姿の女性が笑顔で大きく手を振っている。


大好きなその笑顔は全然かわってはいない。


「藤子おばちゃんっ! 」



わたしは一瞬でクラスのことは忘れて走り寄っていった。
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