猫の湯~きみと離れていなければ~

というか前に見たときは気がつかなかったけれど、この3匹って胸の飾り毛が白いし目つきも鋭いし。

そして猫又の証の先われしっぽ。


……もしかして。


「ねぇ、あんたたちってただの平凡な普通の猫なの? 」

「これだから人間はバカにゃ」
「俺たちは猫又のエリートにゃ」
「この龍宮城の精鋭部隊、ブラックシャーク3兄弟にゃ」


猫なのにサメってどーいうこと?

なんの意味もなく、語呂がカッコいいという理由でつけたようなチーム名。


「ふーん、普通の猫かと思った。でも変身できたりはしないんでしょ?」


あえて何の能力もない猫と決めつけたようにいってみた。


「そんなの簡単に決まってるにゃ」

「じゃあカラスにも化けれる?」

「朝飯前にゃ。それっ」


そういうと1匹がポンっと1羽のカラスに変身した。

少しあおっただけで単純すぎる。


黒猫が変身したのは首もとが白いカラスだった。



「やっぱり! 学校で長さんとわたしを襲ってきたのはあんたたちの仕業でしょっ! 」


この猫たちのせいで副会長とわたしはケガをして、動物虐待の濡れ衣を着せられ、さらにネットで晒されているんだと思うとだんだんと怒りがこみ上げてくる。

ビクッとなった2匹と1羽は固まって怯えているけれど、怒るところは怒らないと。
< 220 / 328 >

この作品をシェア

pagetop