猫の湯~きみと離れていなければ~

夜もだいぶ更けてきたけど、お囃子も太鼓も止まることなく奏でられ、お祭りは盛り上がっていくばかりだった。


「りんご飴を買ってこいにゃ」と言った仁は祭りには参加せず、遇と副会長は「疲れた」と途中で帰ってしまったけれど、わたしは宮と倫と一緒に楽しんでいた。


「まんぷくにゃー、ここでひと休みにゃ」


お腹がぱんぱんにふくれている倫は鳥居の横にある石垣に腰かけた。

露店を巡っているうちに、いつの間にか神社の下まで来ていた。

焼き魚に、焼きそば、フランクフルトにかき氷。
冷やしパインにカステラと綿あめ。

…あと他はなんだっけ。

とにかく倫はいろいろ食べていた。


お祭りにくる前に少し早めの夕食は終えていたのに、よくこんなに食べるれるものだと感心してしまう。

でもわたしも倫の『自慢の鯛めし』が美味しすぎて、2回もおかわりをしちゃってるんだからあまり言えないのかもしれないけれど。

あとでレシピ教えてもらって、ママに作ってもらわなきゃ。
< 247 / 328 >

この作品をシェア

pagetop