猫の湯~きみと離れていなければ~

「長さん、わたし猫町に帰る」

「どうしてだ?」

「猫ちゃんを、…流を探してここに連れてくる」


わたしは立ち上がって副会長に向き直った。


「やるだけ無駄だ、くだらんな。。お前は凰さまの話を聞いていなかったのか? 」


無駄ってなによ。
わたしは真剣に考えているのに。

呆れたように上から目線で話す副会長の態度に少しイラっとしてしまう。


「だからでしょ? 会わせてあげたいって思うから」

「だからだろ? お会いしていないということは猫町にはいないということだろう」

「そんなの探してみないと分からないじゃないっ」

「お前はどれだけバカなんだ? 」


完全に呆れた顔をしている副会長。


…あれ? 猫町にいない?


それってどういうこと?


そういえば宮も倫も猫ちゃんのことを知らなかった。
たくさん猫がいるから分からないだけとばかり思っていたけど。
それに一瞬見かけた子猫は、わたしを避けて逃げたんだと。


でも鳳凰や副会長の力があれば、猫ちゃんを探すなんてことはすぐにできそう、よね?


それってこういうこと?
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