猫の湯~きみと離れていなければ~

わたしと違って、莉子は可愛くて女の子らしくて。
莉子が告白すれば絶対に陽向は断らないって分かってる。

もうあの町には戻れないし、もし戻れたとしても陽向の側にはいれないんだって思ったら悲しくて寂しくて。


そのときに、初めて陽向に幼なじみ以上の感情を持っていることに気がついて。


結局その手紙の返事を出せないままでいて、莉子からもそれからは連絡が無くなってしまい、そのまま音信不通になっていた。


莉子はやっぱり告白したんだ。

そっか、…そうだよね。

分かりきっていたことじゃない。
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