猫の湯~きみと離れていなければ~

あのガードの女子生徒の2人が、面白くなさそうにわたしたちの話に割ってきた。


そしてわたしにだけ刺々しい視線を突き刺してくる。


多分、陽向が彼女たちとの談笑を中断して、わたしと話を始めたのが面白くないのだと思う。


それに


“それ”ってわたしの事よね。




「こいつ俺の幼馴染みの風森 鈴、よろしくしてやって」

「風森です。よろしくお願いします」


楽しそうに紹介する陽向とは真逆で、わたしは視線が恐く、うつむき加減に頭を下げた。



「あたし金子 美穂。こっちは竹坂 久美子。…ふーん」

「なーんか地味っぽくて根暗な雰囲気で逢坂くんの友達って感じじゃないよね?」


わたしを見ながら二人は顔を合わせてクスクスと笑いはじめた。


それって陽向の友達としてふさわしくないってことを言ってきてるんだよね?
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