猫の湯~きみと離れていなければ~

聞き慣れたスマホの通知音に目が覚めた。
時間はまだ6時すぎ。


こんな早い時間に一体だれからのメッセージ?


そして差出人の名前にドキッとした。
寝起きにこの驚きは、体に悪いと思う。



― ういーっす。今から迎えに行ってやろーか?



陽向、なんでこんなに早く起きてるわけ?

今からってちょっと…


横になったまま、眠い目を薄く開けてメッセージを返した。


― おはよ。朝早いんだね。一人で行けるから大丈夫だよ



― じゃ橋の所に集合な。今から家出るから待ってるぞー



すぐに返ってきたメッセージ。

会話が成立してない気がするのはわたしが寝ぼけているせい?

違う、はじめから選択肢なんて用意されていなかったんだ。



昨夜は誰のせいでなかなか眠れなかったと思っているわけ?


まぁ、結論は出ているのに、陽向や莉子のことをわたしが勝手にぐだぐだと考えしまっていただけなんだけれど。

< 98 / 328 >

この作品をシェア

pagetop