感染学校~死のウイルス~
ずっと不安そうで泣きそうな顔をしていた友菜ちゃん。


真哉先輩は、そんな友菜ちゃんのそばにずっとついていた。


「起きたらあの2人と一緒に食料が消えていたんだ」


辻本先生が力なく言う。


「そんな……」


「いつまでここに閉じ込められているか、わからねぇからな。自分たちの食い物だけ持って、さっさと逃げたんだ」


アラタ先輩がフンッと鼻を鳴らしてそう言った。


「逃げるっていっても、校内からは出られないでしょう?」


あたしがそう聞く。


「校内から出られなくても、ここにいる全員で食料を分けて食いつなぐよりは生き伸びられる確率は増えるかもしれねぇだろ。


あの箱1つ分の食糧を2人で分けると、かなりの量があるからな」


アラタ先輩がそう答えた。


たしかにその通りだ。


2人で分けると1週間分はありそうだ。


1日の食べる量を減らせば、もっと食いつなぐことができる。


あとは校内でウイルスに感染しないように、感染してしまった生徒と出くわさないように身を潜めていればいいだけなんだ。
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