感染学校~死のウイルス~
何か言いたいけれど、なにも言えないままあたしと空音は生徒玄関まで来ていた。
相変わらずシャッターは下りたままだ。
しかし、昨日と違うのはシャッターに血がこびりついている所だった。
だれかが必死で外へ逃げようとしたのか、手形のような血があちこちについている。
あたしはすぐに視線をそらせた。
「誰かが攻撃されたんだ……」
空音が苦痛に呻くような声でそう言った。
本館1階の音は別館3階までは聞こえてこない。
あたしたちが知らない間に、ここで誰かが助けを呼んでいたのかもしれない。
静かすぎて忘れてしまいそうになる現実が、目の前にあった。
その現実から目をそむけるように足早に通り過ぎると、購買が見えて来た。
その場で食べる生徒も多いため、購買は図書室と同じくらいの広さがあるが、今は電気が消されていた。
壁を指先で撫でてスイッチを探す。
指先になにかが触れてそれをグッと押した瞬間、柔らかな感覚がしてあたしは動きを止めた。
「愛莉、電気のスイッチはこっちだよ?」
空音の声が聞こえてきて、辺りは急に明るくなる。
眩しさに一瞬まばたきをして自分の触れているものに視線を向けた。
瞬間、声にならない悲鳴を上げていた。
あたしが触れていた柔らかなもの。
それは壁に寄りかかるようにして絶命している女子生徒の指だったのだ。
女子生徒は大きな釘で、壁に両手のひらを打ちつけられている。
相変わらずシャッターは下りたままだ。
しかし、昨日と違うのはシャッターに血がこびりついている所だった。
だれかが必死で外へ逃げようとしたのか、手形のような血があちこちについている。
あたしはすぐに視線をそらせた。
「誰かが攻撃されたんだ……」
空音が苦痛に呻くような声でそう言った。
本館1階の音は別館3階までは聞こえてこない。
あたしたちが知らない間に、ここで誰かが助けを呼んでいたのかもしれない。
静かすぎて忘れてしまいそうになる現実が、目の前にあった。
その現実から目をそむけるように足早に通り過ぎると、購買が見えて来た。
その場で食べる生徒も多いため、購買は図書室と同じくらいの広さがあるが、今は電気が消されていた。
壁を指先で撫でてスイッチを探す。
指先になにかが触れてそれをグッと押した瞬間、柔らかな感覚がしてあたしは動きを止めた。
「愛莉、電気のスイッチはこっちだよ?」
空音の声が聞こえてきて、辺りは急に明るくなる。
眩しさに一瞬まばたきをして自分の触れているものに視線を向けた。
瞬間、声にならない悲鳴を上げていた。
あたしが触れていた柔らかなもの。
それは壁に寄りかかるようにして絶命している女子生徒の指だったのだ。
女子生徒は大きな釘で、壁に両手のひらを打ちつけられている。