感染学校～死のウイルス～
そんな疑問が浮かんできた時だった。


丁度そのタイミングで体育館のドアが開いた。


「辻本先生！」


田井先生がすぐに気が付き、助けを求めるようにかけよっていく。


「どうしたんですか？」


田井先生の様子と体育館の様子を見て目を丸くする辻本先生。


あたしは、そんな辻本先生の手に少量の赤い血がついていることに気が付いた。


なにかあったのだろうかと不安になるが、辻本先生は田井先生から体育館内での出来事を聞いていてこちらを向いてくれない。


あたしは仕方なく祐矢先輩とアラタ先輩へと視線を向けた。


2人ともとても疲れている様子で、制服もところどころ汚れているように見えた。


「外は大丈夫だったんですか？」


そう聞くと、2人が同時にこちらを振り向いた。


「あ、あぁ。まぁな」


そう言うアラタ先輩が咄嗟にポケットに何かを隠すのが見えた。


しかしそれは隠しきることができず、茶色い木の棒のようなものがはみ出してた。


そう、それはまるで金槌の柄の部分のような……。
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