感染学校~死のウイルス~
「大丈夫、心配するような事はなにもないから」


祐矢先輩は穏やかな口調でそう言った。


本当だろうか?


それならどうして辻本先生の手に血がついているの?


そう聞きたかったけれど、怖くて聞く事はできなかった。


「友菜ちゃんと真哉先輩は見つかりましたか?」


質問を変えてみると、途端に祐矢先輩は焦ったように「あぁ、うん、まぁね」と、言葉を濁した。


「2人はどこにいたんですか?」


「どこって……」


あたしの質問に祐矢先輩は困ったように頭をかく。


答えられないのだ。


辻本先生も先輩たちも、2人を見つけることはできていないんだ。


見つけようと探しに出たけれど、そこで彼女と鉢合わせをして攻撃を受けた。


金槌はどこか別の場所で見つけたのだろうけれど、3人で食堂まで逃げて彼女に襲い掛かった様子が浮かんできた。
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