感染学校~死のウイルス~
片手に紙袋、片手にバッドを持って出口へと向かう。


その時だった。


視界の端に死んでいる生徒が見えた。


文芸部の10人。


それはわかっていたのだけれど、不意に違和感を覚えて立ち止まった。


おそるおそる視線を移動させ、生徒たちの死体を見る。


なにかがおかしい。


前回ここで死体を見た時と比べてなにかが変化している。


その変化を確認したいけれど、恐怖で頭の中は真っ白だ。


心臓はバクバクと音を立てているし、体中から汗が噴き出している。


「え……?」


そんな中、あたしは1つの変化を見つけ出して思わずそう声に出していた。


折り重なる死体の中、1人だけ綺麗な死体が混ざっていたのだ。


保健室の中は血まみれて、文芸部の10人は互いに殺し合っていた。


それにしては、綺麗な死体。


そっと近づいて確認してみると、その男子生徒は額が大きく陥没していた。


しかし、それ以外の外傷は見られない。


顔だけで男だと判断できる死体だ。
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