感染学校~死のウイルス~
「だ……だって……」


あたしは次の言葉を紡ぐことができなくて、代わりに死んでいる男子生徒を指さした。


その瞬間、2人の顔色が変わった事をあたしは見逃さなかった。


「あ……あんたが殺したんでしょ!? その金槌で!!」


あたしは叫び、アラタ先輩の持っている金槌を指さした。


アラタ先輩は一瞬あたしを睨んだけれど、すぐにあきらめたように息を吐き出した。


「……その通りだ」


そう言い、持っている金槌を見下ろす。


「な……んで……?」


あたしは更に後ずさりを続け、森本先生の机が背中にぶつかった。


「仕方がなかったんだ」


そう答えたのは辻本先生だった。


あたしは先生の言葉にまた涙があふれ出す。


そんな、嘘でしょう……?


辻本先生は何も関与していない。


そう言ってほしかった。


高校に入学してからずっと憧れていた辻本先生。


この想いが届かなくても、生徒として先生の授業を受けていられることがとても幸せだった。


そんな綺麗な記憶が、あっという間に灰色に染まる。
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