感染学校～死のウイルス～

「確かに、食堂なら沢山食い物があるな。どうして気がつかなかったんだろう」


アラタ先輩はそう言い、少しだけ笑った。


「教えてください、食堂の女子生徒の死体とこの男子生徒の死体、どういうことなんですか？」


あたしは真っ直ぐに2人を見てそう聞いた。


「あぁ。感染した女子生徒に追われていたのは確かにこの男子生徒だった。だけど、この男子生徒は生徒玄関で金槌と釘を見つけたんだ」


アラタ先輩はそう言い、自分が持っている金槌を見せた。


「どこにそんなものが……？」


「学校が閉鎖される前に、先生が生徒玄関にも時計を取り付けるつもりでいたらしい。


その時に準備していた道具だ。これを見つけた男子生徒は形成逆転とばかりに女子生徒に襲い掛かった。ただ殺すだけならまだしも、釘で両手を壁に固定し、乱暴しようとしてたんだ」


アラタ先輩は声を荒げてそう言った。


「そんなの、人間がすることじゃねぇだろ？」


アラタ先輩の言葉にあたしは何も言い返せなかった。


もう死んでいる男子生徒へ向けた怒りがこみあげて来る。


「そこに偶然俺と妹尾と山本の3人が鉢合わせたんだ。男子生徒を止める際金槌を奪い取って、もみくちゃになっている間に、死んでしまった」