感染学校~死のウイルス~
辻本先生が息を吐き出してそう言った。


「そうだったんですか……」


あたしは脱力してしまい、何も考えられない状態だった。


そんな事があったなんて思いもしなかった。


「女子生徒が襲われることは回避できたけれど、すでに人を殺す段階まで到達していた。だから、俺が包丁で殺したんだ」


辻本先生がそう言った。


『殺した』


その単語に背筋がゾクリと寒くなる。


だけど、それなら正当防衛だ。


辻本先生たちはあたしたち、感染していない生徒を守るために頑張ってくれたんだ。


そう考える事で、どうにか納得することができた。


「どうしてそれを教えてくれなかったんですか?」


そう聞くと、アラタ先輩が「言えるわけねぇだろ」と、言って来た。
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